ある同窓会

高校の時はラグビーをしていた。
顧問は若い男の先生で、全身に大きな筋肉を纏ったスポーツマンだった。
学生時代はバドミントンをしていたそうで、先生の打つスマッシュは、目にも留まらぬ速さで飛んで来た。あんなに速く飛ぶシャトルコックを私は見たことがなかった。
当時20代半ばだったその先生を私たち部員は兄貴のように慕い、「くまじい」と呼んでいた。
2年の時、くまじいを裏切り、停学になった。
あの時の、男同士の信頼を壊した卑怯な行為を、私は今でも悔いている。
しかし後になって、
「あいつはきっと雨降って地固まる奴だから、これからも見守る」
と言ってくれていた事を知り、泣いた。
私の卒業後に同じ高校に入った妹も、マネージャーとして同じラグビー部に所属し、彼女も大変お世話になった。
先々日、そのくまじいの訃報を聞いた。
まだ55で現役の教頭、これからもバリバリ働くつもりだったろうに。その心残りは察するに余りある。
30年近くお会いしておらず、不義理この上なかったのだが、まさかあのくまじいの葬儀に参列することになるとは、夢にも思っていなかった。
寄せ書きをした真っ白なラグビージャージを棺に入れた。
髪が少し寂しくなっているとはいえ、当時の面影そのままのハツラツとした笑顔の遺影は、棺の中の痩せ細った顔を余計に悲しく感じさせた。
寄せ書きに、長らく会っていない先輩や同期、後輩たちの名前がある。いろんな都合で通夜だけしか来られなかったり、弔電打つのが精一杯だったり。それでもみんなの気持ちは集まった。悲しい同窓会になってしまった。
ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
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